2010年7月10日に公開された
ディズニー＆ピクサー製作のフルCGアニメ『トイストーリー３』
その作中に、
日本の大人気キャラクター『トトロ』が登場していたことに気が付きましたか？
実はウッディーやバズなど、ピクサーのキャラクターに紛れて、
スタジオジブリのトトロがカメオ出演しているんです。
・製作した国も会社も違うのに、なぜトイストーリー３にトトロが出ているの？
この記事では、上記のような疑問にお答えしていきます。
◉この記事の内容
・トイストーリー３にトトロが出ていた理由。
・ジブリのキャラクターの中でも、どうしてトトロだったのか。
・トトロの登場シーンは作中のどのあたりか。
それでは、いってみましょう。
トイストーリー３にトトロが出ていたのはなぜ⁉︎
結論から言うと、
トイストーリーシリーズの生みの親のジョン・ラセターが
となりのトトロが大好きだったからです。
それは一体どういうことか。
その経緯を深掘りしていきましょう。
製作総指揮のジョン・ラセターは宮崎駿の作品を敬愛していた
1995年、劇場用の長編アニメとしては
世界初のフルCGアニメーション作品「トイストーリー」を生み出した、
鬼才ジョン・ラセター。
「トイストーリー３」では製作総指揮をつとめています。
彼は自分の作品を作り出す過程で、
宮崎駿のアニメーションから多大な影響を受けていました。
まず最初に影響を受けた作品は、
1979年公開の「ルパン三世 カリオストロの城」です。
この作品を見たジョンは、
「とにかくびっくりし、何度も何度も見ました。特にすばらしいのは、冒頭のカーチェイス。日本独自の節約の美学とクレバーさに興奮し、これぞ僕がやりたいことだと強く感じました」。
https://eiga.com/news/20141024/27/
と語っています。
このコメントからも、彼の作品作りに大変な影響を与えたことがわかります。
ふたりの初対面はスタジオジブリで
1987年11月11日。
ジョン・ラセターと宮崎駿はスタジオジブリにて初対面を果たします。
その時、宮崎駿はまさに「となりのトトロ」の製作の真っ最中でした。
スタジオを案内する中、宮崎駿が見せてくれた一枚の絵にジョン・ラセターは
またしても強い感銘を受けます。
それが猫バスの絵でした。
「猫がバス！？バスが猫！？」
とその意外な設定に戸惑っている彼に、宮崎駿はいたずらっぽく笑いかけたそうです。
その笑顔はイラストの中の猫バスと全く一緒でした。
「彼の作品」＝「彼自身」なのだと
監督業の真髄を見たジョン・ラセターはますます宮崎駿を敬愛するようになります。
それと同時に「となりのトトロ」も彼にとって愛してやまない作品になったのです。
３０年以上も続くふたりの友情
スタジオジブリでの初対面以来、彼らは着実に友情を深めていきます。
ジョン・ラセターは来日するたびに、スタジオジブリや三鷹の森ジブリ美術館を訪れていたそうです。
「千と千尋の神隠し」が全米で公開される際には、配給活動にも尽力しました。
そのかいもあって、同作品は第75回アカデミー長編アニメ賞受賞という快挙を成し遂げることができたのです。
まさに受賞の立役者はジョン・ラセターだったのでしょうね。
「おもちゃでならいいよ」と宮崎駿が出演を快諾
ジョン・ラセターと宮崎駿と同じように、
ピクサーとスタジオジブリも長年の友情で結ばれていました。
「トイストーリー３」にトトロを登場させたいと宮崎駿に打診した際には
「おもちゃでならいいよ」と条件付きで快諾してくれたそうです。
「トイストーリー３」が報道陣に初公開された記者会見で
プロデューサーのダーラ・K・アンダーソンがこうも語っています。
「ピクサーとスタジオジブリは長年の友情で結ばれています。宮崎監督に相談したところ、おもちゃとして出演させることに、快諾をいただきました。（トトロの登場は）宮崎監督へのオマージュです」
https://www.cinemacafe.net/article/2010/05/25/8335.html
ピクサーとスタジオジブリの親交の深さが感じられますよね。
トトロはどこで登場していた？
次は、実際にトトロは「トイストーリー３」のどこに登場していたかをお伝えしていきます。
ボニー・アンダーソンのお家
トトロが登場するシーンは、
ボニーのお家です。
物語開始から30分ほどで登場する女の子、ボニー・アンダーソン。
彼女は人見知りでシャイな女の子ですが、一人遊びが大好き。
人形劇仕立てのごっこ遊びをする際には、
その卓越した演技力で彼女のおもちゃ達を驚かせていました。
その彼女のおもちゃ達の中に、トトロがいるのです。
仲間のぬいぐるみ達と戯れるトトロ
トトロは「ボニーのおもちゃ」という設定なので、
ボニーのお家ではいたるところに登場します。
ウッディとの絡みや、セリフがあるわけではありませんが、
日本人には馴染み深いキャラクターだけあって存在感は抜群です。
「となりのトトロ」でのタッチと雰囲気とは違い、
しっかりと「ピクサーのトトロ」になっているところがまた面白いです。
ボニーは物語のキーパーソンであり、
そのキャラクターのお気に入りのおもちゃの中にトトロを登場させてくれるなんて、
ピクサーも粋な演出をしてくれますよね。
まとめ
今回の記事では、「トイストーリー３」にトトロが登場した理由と登場シーンについて
お伝えしてきました。
・製作総指揮のジョン・ラセターが宮崎駿のアニメを敬愛していた。
・宮崎アニメの中でも特に「となりのトトロ」が大好きだった。
・感謝と敬意を示すかたちとしてトイストーリー３にトトロを登場させた。
・ボニー・アンダーソンのお家
・エンドロール
いかがだったでしょうか。
鑑賞中にトトロの存在に気づいた方も、気づかなかった方も
「なぜトトロが登場しているのか」
「トトロはどこに登場しているのか」
がお分かりいただけたかと思います。
再度「トイストーリー３」を見る際には、是非ともトトロを探してみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
